――春が、すぐそこまで来ていた。
ＴｏＨｅａｒｔ

機種	プレイステーション
発売（開発）	アクアプラス
発売日	１９９９年３月２５日発売
価格	６８００円
備考	ＣＤ−ＲＯＭ　２枚

操作性
既読未読判別機能を備えたスキップ機能とバックログ機能を装備しており、
ノベル系列のソフトとしては十分。


音楽
まぁまぁ、特に印象が強いわけではないが雰囲気は壊していない。
ボーカル曲の使い方はなかなか如何して上手いが、
オープニング曲に関しては様々なシーンでこきつかい過ぎの様な気もする。


システム
放課後はキャラクターをストーキングして追い回す時間管理ルールを採用、
それ以外は絵入りのサウノベといって差し支えはまったく無い。
物語の展開力に欠けるためサウノベにする必要性はあまり無い、
とにかくシステム的な面白みには欠けます。


設定・シナリオ
内容は近未来学園風ビジュアルサウンドノベル。
高校生の主人公は幼なじみの神岸あかりや佐藤雅史、中学からの友人長岡志保らと
賑やかな高校生活を送っていた。
そして訪れた３月、４月。さわやかな春風とともに、主人公の恋愛ストーリーが始まった。

ラノベ的というか。ポップです。ノリは良いですよね。
ストーリー的に大きな展開を望めないので登場人物の側に
奇想天外な設定を盛り込んでいる所が特徴といえるでしょう。
なんともコメントし難い妖しい設定のキャラクターが何人か居る。
ただ主人公の行動の根拠が貧弱で、特にお節介を焼くことによって
話しが進んで行く事になるパターンのヒロイン達に対しては、
イマイチ動機が弱く最初から体目当てで近づいて行ったのか？ともとれてしまうというのが残念。
１８禁出身なのでしょうがない面もあるだろうしそれもアリだとは思いますが、
ラヴコメなストーリーと違和感があったのは事実です。

そういえば、この主人公が女好きで二枚目半タイプの主人公と無気力型の主人公の
折半型のようなイメージがあるのは面白いかもしれませんね。


独創性
システム的に物珍しさはまったくありませんが、登場人物設定などは独特なのではないでしょうか。
日常はストーリーが動かないから日常なワケで、それを動かすための苦労が垣間見えます。


全般
多大な影響を後発ソフトに与えパソコンで一つの時代を作り上げた金字塔的作品。
プレステ版はときメモ２と共にコンシュマー産ギャルゲーの終焉、斜陽を象徴し
冬の時代到来を告げるという役目を結果として果たした。
サウノベとしてもギャルゲーとしてもいろんな角度からゲーム史に名を残した作品なので、
ゲーム史を紐解くからには避けては通れない作品といえるでしょう。

丁寧に作られた佳作ではありますが、ポップすぎて今ひとつテンションについていけなかった。
プレステに移植するに当たってかなりストーリーを改変している模様なのですが、
ＰＣ版を知らないので割愛させていただきます。


得点５点

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