ハートに火をつけて…

カクトー娘をバーニングせよ!!
ハートに火をつけて…

フェアリーテール


操作性
プロレス風の格闘技が舞台の育成SLGで、主人公がトレーナー役として選手役のヒロインのパラメーターを弄くります。
会話などは画面下のメッセージウィンドウに文字が表示されその上に人物のバストアップが表示される形。
プレイ時間は5時間ほど。

CGモード、サウンドモード、イベントシーン閲覧モードがありますが、
読み返し機能はなくメッセージスキップは全スキップのみとなっています。


ゲーム中の操作性で言えば、習得した必殺技を新しい必殺技を習得した時しか確認できない。
試合中にHPの表示がないため戦況がわかりにくく、何度も攻撃しても相手がなかなかダウンしない時などは
実際よりも長く時間がかかっているように感じたりする、なんてことがあったので、そこは少々残念です。


音楽
爽やかで溌剌とした曲が多いです。
全体としては可もなく不可もなくといった所。


システム
基本的には6章構成となっており、
各章は「5日間の育成パート⇒休日パート⇒5日間の育成パート⇒試合」という流れを繰り返してゲームが進行していきます。

試合に負けてもストーリーが進行していきますが、
1章から3章の試合に全敗したり5章の試合に敗北するとゲームオーバーになります。


「育成パート」
育成パートは大まかに言って、
トレーニング前→茜のトレーニング→他ヒロインへのコンタクト→トレーニング後
という流れで構成されています。
一日ごとの練習メニューを選択してパラメーターをアップしていきますが、
「テクニカルレッスン」を選択した場合は新たな必殺技を習得することができます。

最初は4種類の練習メニューしかありませんが、
試合に勝利すると選択できる練習メニューが徐々に増えていきます。

休日は特にやることはなく、イベントの発生条件を満たしていればイベントがおきます。
これは一日毎の朝や夜も同様です。


「バーニングハートシステム」
登場人物との会話が起こるとアドベンチャーシーンにはいります。

操作性でも書きましたが、画面下にメッセージウィンドウが表示され
その上に登場人物のバストアップイラストが表示されるオーソドックスなタイプ。
画面右には「バーニングハートゲージ」という好感度メーターがあります。

このゲームには「バーニングハートシステム」なるものがあるのですが
選択肢による好感度の上下とそれに伴う台詞等の変化を大仰に言ってるだけなので、
別段気にしなくても大丈夫でしょう。

取説には
「想い」を表現する為に必要な、シナリオ構造、パラメーターなどのシステム構造、
演出などを統合したモノを「バーニングハートシステム(BHS)」と名付けました。
積み重なった「想い」は画面右手の「バーニングハートゲージ(BHG)」によって表現されます。
女の子達の想いは愛情に変化し、最後は「バーニング」します。
但し、シナリオの展開によっては、「友情」「険悪」に変化してしまうこともあります。

と書いてあるのですが、F&Cに限らず
こういう何でもないことや技術的な遅れを取り戻した程度の事まで
わざと大袈裟に書くような姿勢は大好きだったりします(笑
テンションが高いと言うか、ゲーム作りが楽しそうでいいですね。


「試合」
試合は格ゲー風スタイルのコマンド選択式バトル。
コマンドは全部で5種類あり、
「パンチ系」(間合いが近距離に変化)、
「キック系」(間合いが中距離に変化)、
「タックル系」(間合いが近距離に変化)、
間合いを詰める「フォワード」、間合いを開く「バック」。

前者3つが攻撃用のコマンド、後者2つが移動用のコマンドになっており、
各コマンドは相手との間合いによって使用できなくなります。
なお、パンチ系・キック系・タックル系を選択した際に
使用条件が合う必殺技をランダムで発動します。


育成SLGとしての難度は低め。
育成が順調というか、意図的に育成しないようなプレイをしない限りは大丈夫でしょう。
難易度曲線も悪くないので、選手が育って強くなっていく様が
徐々に実感できるのがオーソドックスながら魅力ですね。

ただ、操作性の項目に書いた通り
必殺技の確認が新しい必殺技を習得した時のみだったり、
試合中にHPの表示がないため戦況がわかりにいなど
操作性についての不満は幾つかあります。


設定・シナリオ
「Fighting・Goddess」(FG)に、
後に最強と呼ばれるチャンピオンが生まれた。
その名は「嶋田綾香」。

公式戦では無敗。その強さには、目を見張るものがあった。
まさに「闘いの女神」と呼ぶにふさわしいチャンピオン。それが綾香だった。

綾香には優秀なトレーナーがついていた。
そのトレーナーの指導により、短期間で彼女の実力は花開き、
FGのチャンピオンにまで登り詰める事となる。
だが、その直後に、綾香とトレーナーは袂を分かつ事となる。
その理由は、ごく一部の者にしか知られていない…

その後の綾香は、まるで何かに取り憑かれたかのようにトレーニングに励み、
その強さに磨きをかけ続け、不敗神話を打ち立てる事となった…


月日は流れ、綾香がFGチャンピオンになってから2年。
彼女の強さはいまだに衰える事無く、他のファイターを圧倒していた。

そんな綾香に憧れて、今、一人の女の子がFGの世界へと歩み出す。
「綾香さんのように、強くなりたい…」
そんな想いを胸に秘めて……


現FGチャンピオン・嶋田綾香の元トレーナーの主人公と
嶋田綾香を目指す木之原茜がFGで活躍していくお話です。
熱血でバーニングなスポーツ娘を題材にしているためか、
全体的に非常に溌剌とした爽やかな印象を受けます。

今から振り返ると、元カノと縒りを戻す展開があったり
男に弄ばれた末に捨てられて人当たりが厳しくなっているヒロインがいたりと、
99年当時のエロゲーのキャラ付けの面白さを感じますね。

性格の方向性としては似た部分があるのですが、
そういうツンケンとした素直じゃない性格になった動機付けがユニークと言うか、
明るくノリがいい世界観のゲームで「男に捨てられて」ってな原因は
今は用意しませんよね、あんまり。


独創性
育成SLG+コマンド選択式の戦闘パートという構成ですし、
特徴的なシステムも特にないのでゲームシステム的にはこれといった点はありませんが、
こういうスポ根物はエロゲでは珍しい部類に入ると思います。


全般
点数は7。
全体の出来はそこそこといった所。

細かいイベントがとても多く用意されていたり、
戦闘パートが独自性と完成度を兼ね備えているなど、
特別優れている箇所があるわけではありません。

一方で、ゲームバランスやヒロイン攻略のフラグが滅茶苦茶だったり
操作性に特に難がないなど、取り立ててダメな点もないタイトルです。

ゲームシステムもオーソドックスでそれなりに面白く、問題も少ない分、
感想をつける際にはコメントに困るというレビュアー泣かせなタイプの作品ですね。


得点
対応OS Win95/98/NT4.0
発売(開発) フェアリーテール
発売日 1999年10月29日
価格 7800円(税別)
製作責任者 かなすぎはじめ(プロデュース)
佐久間弘(ディレクション)
井出健介(ゼネラルプロデュース)
備考 ジャンル:ADV+SLG
CPU:Intel Pentium 100MHz以上必須(Intel Pentium 166MHz以上推奨)
メモリ:32MB以上必須(64MB以上推奨)
HDD:空き130MB以上必須
CD-ROM:2倍速以上必須(8倍速以上推奨)
解像度:640×480以上
表示色:HighColor以上(TrueColor推奨)
音源:上記の環境下で動作するCD-DA、MIDI、PCM音源
DirectX:DirectX 3.0以降
メディア:CD-ROM
種別:18禁
※大容量ハードディスクの場合、必要空き容量が多くなる場合があります。
※搭載メモリが少ない場合、出来る限り他のアプリケーションを終了させてからゲームを実行してください。

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