地に降りた一枚の羽…
それは大好きなあなたでした。
ママトト
〜a record of war〜
アリスソフト

操作性
基本的には武将と彼らが率いるキッズという様々な兵隊ユニットを使い
敵を倒していく全20ステージの横スクロールSRPGです。
それに多少の内政要素と、恋愛ADVの要素まで含めた大ボリュームの作品で
一回のクリアにかかる時間はおおよそ20時間ほどの大作。

ADVパートなどでの表示形式は
画面中央に顔グラフィック＆吹き出しで会話
画面下のメッセージウィンドウに地の文という形になっています。

文字周りのコンフィグ等ではスキップは全スキップのみで
読み返しなどの機能はありません。
充実しているわけではありませんし、まあＳＬＧですしこんなもんでしょう。
一応ディスクレスでの起動はできますが、音楽は出ません。
あと長い間忘れてましたが、実はジョイパッドに対応しています。


音楽
全体を通していい曲が多いですね。
その中でも上げるなら、通常戦闘曲の「Running to the straight」と
出撃準備の際にながれる「Forming the force」かな。

ノリがいい曲が多くのも特徴でしょうか。
担当のShadeさんという方はアリスソフトの中でも有名な方だそうで
実力をいかんなく発揮されているということでしょう。


システム
全二十章で構成されていて
導入イベント→出撃準備・迎撃戦・防衛戦→内政→ADVモード→次の章へ
といった流れが基本になっています。


「出撃準備・迎撃戦・防衛戦」
迎撃戦・防衛戦といった戦闘パートは
四角マスで構成された長方形型マップの中で争う形になります。

はじめに迎撃戦で武将一人が複数のキッズを率いて敵軍を迎え撃ち、
防衛戦では残りの武将（キッズは抜き）を使い迎撃戦を突破してきた敵軍を倒します。
防衛戦をも突破した敵は心臓部へと侵入してママトトの心臓にダメージを与えます。
ママトトの心臓のＨＰが０になるとゲームオーバー。

章と章の合い間にはシナリオ進行をとめてレベルアップをすることも可能なので
難しいと思ったらレベルアップしていけば問題なくクリアできます。
難易度の調節もよくできているの方だと思うので、
難しすぎてクリアできない！　という事は一部のイベントを除いて少ないとは思います。


「内政」
内政ではキッズを生産するプラントをパズルの様に配置していくのが主な仕事です。
配置していく数が増えれば増えるほどキッズ自体の性能があがっていきます。
このパズルの重要さはそれほどでもなく適当にやっても大丈夫です。
極端な話、キッズの能力が低いままでも
武将のレベルを上げればいいだけですしねw

プラントの他にも武器研究所や店舗等がありますが、こちらはお金を払うだけです。
また、ＣＧ鑑賞（エンディング後には音楽モードも）は内政の時にしか選択できません。


「ナナスモード、カカロモード」
ADVパートは一般的な恋愛ADVみたいなもので
ナナス或いはカカロが会いにいくヒロインを指定していき
対象となるヒロインとのストーリーを進めていきます。

ナナスモードとカカロモードの二種類があり、
ナナスは純愛系、カカロは鬼畜エロ（外道？）系担当。
ちなみに、どちらかを飛ばす事も、どちらも一切無視する、ということも可能。


設定・シナリオ
時代は戦いに染まっている。
国々の亡き後に残るのは、移動要塞を用い戦闘を続ける国家の数々。
絶対強者なき無限地獄色。
ママトトという、小型の移動要塞１基の郷土を持たない国がある。
国王は豪腕無双の格闘家カカロ。召喚魔法まで行使する闘う王だ。
独眼の氷龍と怖れられる将軍に率いられ、少数精鋭の武将達はそつなく動き戦果をあげる。
要塞の優れた性能に任せて大陸中を駆け回り、存在を世間に知らしめた。

しかし数多くの戦いを繰り返した結果、国土を持たないママトトは力を弱めた。
現在は国民の数も数十人。一般兵力は０に等しい。
窮地を救ったのは、カカロの息子で現ママトトの将軍を務める少年、ナナス。
ここ数年は、要塞の移動力に頼って逃げ回る事が多かったが、
滅亡を逃れているのは、そのナナスの知略に頼るところが大きい。

今では、18歳にして知謀ぶりを大陸中に知らしめている。
本編は、ママトトが大陸南東に追い詰められた状況から始まる。
丁度その時、ナナスが趣味である魔法工学で魔法生物兵キッズを誕生させる事に成功する。
土壇場で兵力増強の手段を手に入れたママトトは、心機一転、念願の大陸制覇に乗り出した。


移動する要塞を使い戦争を繰り返す大陸のお話。
かって精強を誇った移動国家ママトトは度重なる戦闘により弱体化、
現在は弱小国家として辛うじて生き残っていた。
しかし、現王カカロの息子であり軍事の責任者でもある天才軍師ナナスが
戦闘用魔法生物を作り出し再び戦乱の世を統一するための戦いを始める。というものです。

メインストーリーの天下統一物語は
『ママトト』がステージをクリアして話を進めていくシミュレーションRPGという事もあり
それほど見るべきところはないのですが、
各キャラに見せ場や山場が用意されていて、数の多さに比べてキャラは立っています。
どことなく少女漫画っぽさはありますが、丁寧に作られている印象ですね。

メインストーリーで男キャラが優遇されているのは
女性キャラはナナスと恋愛したり、カカロに襲われたり本筋以外に見せ場があるのに対し
メインで華を持たせないと男は本当に空気になってしまうという事情も大きそうですね。
単純に暑苦しい男好きがスタッフにいるだけかもしれませんが。


「壮絶！　父と子、骨肉の寝取りあい」
システム面にも書きましたが
サブストーリーとしてナナスの純愛モードとカカロの鬼畜モードがあり、
鬼畜モードはかなり酷い展開が続く仕様になっています。

一応嫌ならカカロモードを避けるということも可能ではあるのですが。
完全に分かれているわけではなくある程度連動しているのが最大の特徴になっています。
ナナスに好意を向けるヒロインを、手当たり次第に姦計を弄して襲ったり罠にかけて、
外道親父が食いまっていくという流れが基本のカカロモードは勿論。
ナナスにしても、カカロから奪うと言うシチュのヒロインもそれなりにいたりするので
結果、色んなところで父と子の寝取り寝取られが頻発する自体に（笑）

なかなか異質というか強烈なゲームといえるのかも。


独創性
基本的には簡易な戦術SLGですが
色んな要素のごった煮で、全体をみると他にみないゲームになっています。

恋愛ADV的な側面から見ても濃いですねw
ナナス自体は少女漫画的というか柔和でロマンチックなキャラなのですが
ある意味エロゲとしては神なカカロの存在でそのあたりは一変してます。


全般
一本道のシナリオとプレイ時間の長さがあり、
すぐに再プレイするというタイプのゲームではありませんが
思い出して少しプレイするとそのまま最後までプレイしてしまうほどの力がある作品です。

色々の要素をぶち込んではいますが
全体のトータルバランスや難易度といったものの完成度が高く
さらにテンポが良くプレイがしやすいものに仕上がっているのは
アリスソフトの経験値の高さを感じませます。
ちなみにアリスの中で1、2を争うほど好きなタイトルですね。


1999年に出たゲームなんですが2003年から廉価版として
2800円で出てますので安く手に入ります。


得点８点

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