人の命って　波間の泡の様ね　兄様……
夢幻泡影
アリスソフト

操作性
クリアするたびに選択肢が増えていくコマンド選択式ADV。
エンディングの数が42個と多く、
シリアスからギャグまで様々なシナリオが楽しめます。
ワンプレイは長くても一時間。

特徴的なのはクリアすると選択肢が増えていくのと同時に、
ＥＤを見た選択肢が消されていくことでしょうか。
適当にプレイしていればコンプリートできるため、難易度は低い。

ちなみにＥＤを全部みると「初期化」のコマンドを選ばない限り
どのEDにもたどり着けず延々とゲームすることになるので、
コマンド「ゲームをやめる」でタイトル画面に戻ることになります。


音楽
全7曲と少な目。
全体的にこれと言った曲はないが退廃的で妖しげな曲が多い。

バッドEDで流れる「閉幕−暗−」は
コメディタッチのEDでも普通に流れる曲なので
最初は暗い曲だな〜程度に思っていたのが、
コンプする頃には非常に笑える曲になっていたり（笑）


システム
コマンド選択式ADVという言葉が全てじゃないかなあ。
それ以上付け加える事がほとんどない。

まぁ、やってることはサウンドノベルの形式を取ってない
『弟切草』みたいな感じですけど。


設定・シナリオ
確実に死に向かっていく、主人公・土屋久遠。
大財閥の若き領袖でもある彼は、自分が作り上げた
大正時代ふうの世界観の中で退廃的な生活を送っていた。
その中で彼と周囲の人間達の淫靡な物語が刻まれていく。


上記のストーリーが基本で、
キャラごとに話の方向性は決まっています。
しかし、バリエーションが豊富で
まったく当てはまらないような馬鹿話と馬鹿EDの数も多いです。
むしろバリエーション豊富というよりは
暴走とか支離滅裂気味といってもいいかもしれませんね。

ED名「しんちゃん」とか「ごくう」とか「師匠」とか
明らかにかなりヤバいレベルのパロディとかありますから（笑）
一応褒め言葉ですが悪ノリが過ぎて
ついていけない部分があったのも確かです。


独創性
システム的には選択肢が消えていくという一点のみは独創的。
世界観もどことなく女性的な印象で独特な感じですね。

万能に近い主人公と退廃的な世界観に加えて、
ホモがあったり、実妹との絡みが云々あったり、
『コ・コ・ロ…』シリーズあたりにも影響を与えているような気がする。
まぁ、これは主観ですけど。


全般
現在は「配布フリー宣言」を受けてタダでプレイすることが出来ます。

ウマが合わない部分はありましたが、なんだかんだ言いつつ
こういうバリエーションを楽しめる多ED型のADVは好きです。


得点７点

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