すべての情報はインターネットに！ 犯行現場に行かずに事件を解決。
これが21世紀型の探偵スタイル！！
ＳＩＭＰＬＥ１５００シリーズ Ｖｏｌ.５９
THE 推理
〜IT探偵:18の事件簿〜
| 機種 | プレイステーション |
| 発売（開発） | D3 PUBLISHER（トムキャットシステム） |
| 発売日 | ２００１年４月２６日 |
| 価格 | １５７５円（税抜き１５００円） |
| 備考 | ＣＤ−ＲＯＭ １枚 プレイヤー １人 メモリーカード １ブロック |
操作性 基本的な操作は、画面をアイコンでクリックするか、 推理するコマンドを選ぶか程度なので、非常にシンプルなつくりになっています。 設定でも主人公の探偵が部屋の中で送られてきた写真をクリックして 検索ソフトと秘書ソフトと協力して捜査していることになっていますしね。 クリックカブル（アイコンクリック）式で情報を集め その情報を元に四択のコマンド選択式で推理していくイメージです。 全話クリアまでは５〜６時間。 音楽 軽やかな曲が多いですね。 低価格のシリーズだけあって安っぽくならない範囲で それほど力を入れていない印象です。 システム このゲームは、プレイヤーが探偵になって各話の謎をクリアしていくゲームです。 一話をクリアするごとに次の章に進めます。 全１８話をすべてクリアするとエンディングが始まります。 基本的な流れとしては オープニング（事件発生）→画像分析→推理→エピローグ（真相） という形になります。 「クリックカブル式＆コマンド選択式」 そのなかで「画像分析」はクイックカブル式になっており まずは、依頼者からの送られてくる画像上にカーソルを走らせ 怪しい所をクリックして情報を分析、調査していきます 画面の下には調査項目アイコンというものが表示されていて この画面で操作に役立つヒントが得られる数を表しています。 また調査箇所から重要なヒントが得られる場合は虫眼鏡がアイコンの上に登場し そしてその場所からヒントを入手した場合はアイコンの上にチェックマークが付きます。 その次の「推理」は四択によるコマンド選択式で プレイヤーが正しいと思うものを選択していきます。 誤った選択をしてしまった場合は、もう一度、画像分析を行うことができ、 ゲームオーバーになるわけではありません。 そのため難易度でいうならば簡単な部類に入ります。 設定・シナリオ 5年後か、10年後か、少しだけ未来の探偵事務所の事件簿です。 世の中には大した変化や進歩はありませんが、＜擬似人格インターフェイス＞という、 一種の会話専用人工知能がインターネット社会に増殖しつつあります。 ＜擬人＞と省略されて呼ばれるそのコンピューターソフトは、 「人間の質問や会話に対して、最適と判断した文章を返す」という 人間の言語反射機能をプログラムしたものですが、 窓口事務、解説、相談、検索、秘書ソフトとして流行しつつあり、 それはこの探偵事務所まで及んでいます。 主人公は、この＜擬人＞のスタッフと共に、 インターネット社会の様々な事件に挑戦していくのですが… オープニング・本編・エピローグで一話が構成され それが短編連作のスタイルで１８話存在しています。 内容はクリックカブル式で画面を詳しく調べていく殺人事件から 素人に助けを求められたワードパズル、怪談、暗号 遺産相続を狙った＜擬人＞を使ったなりすましなど多彩。 特に超高性能版人口無能とも言うべき＜擬人＞を初めとした発展しすぎたネットワーク技術と、 探偵免許の交付など警察による情報統制はゲーム全体を貫くテーマになっています。 独創性 シンプルシリーズとしての制作費の安さなどを逆手にとって 探偵の事務室で全て行うというユニークな推理ＡＤＶゲームに仕上がりました。 安楽椅子探偵を主人公に据えた推理ＡＤＶゲームは 自分の知る限りですが誰もやっていなかったと思います。 それにもかかわらず推理小説としては一つの王道なのですから まさに製作陣の視野の広さや着眼点の勝利ということでしょうね。 ＡＤＶは、もともと『ゾーク』など文章でダンジョン探索する類からスタートしていますし 主人公が動き回って謎やらに挑んでナンボで、だからこそアドベンチャー（冒険）ですからね。 原点に忠実であればあるほど、ＡＤＶの歴史に堪能であればあるほど 主人公の元に出来事が舞い込んでくる推理ＡＤＶという発想にはなかなかたどりつけません。 そういう意味でもゲーム以外を含めた視野の広さが光っているのは間違いなく 小粒ながら推理ＡＤＶの歴史に一石を投じたゲームであるのは確かでしょうね。 個人的に言えばウィキペディアの記事は褒めすぎのような気もしますが（苦笑 全般 ワードパズル的なものから殺人事件までと 多彩なミッションが１８話楽しめ手軽に遊べる魅力をもったゲームです。 プレイ時間の短さといったボリューム面では値段相応ですが 同時にシンプルシリーズの良い所もでているゲームなのではないでしょうか。 舞台設定面のよさもさることながらＰＳでは数が多くない クリックカブル式推理ＡＤＶである点もポイント高いです。 点数は悩んでいるのですが、とりあえずは７にしておきます。 得点７点