コ・コ・ロ…

狂ってしまうほど人を愛したことがありますか?
コ・コ・ロ…

r(aaru)


操作性
画面構成は左に登場人物のバストアップ、右上に背景
右下にメッセージウィンドウという形になっています。
イベントシーンでのみ画面いっぱいにイラストが広がり
画面下部にメッセイージウィンドウが配置される形になります。

エンディングが非常に多く用意されているタイプのADVで、その数は24個になります。
そのため一回のプレイ時間は選ぶ選択肢によりますが
30秒かからないものから30分程度までと短めになっています。

このゲームにはアアルらしい軽快さがあるので
操作性の部分で特に気になったことはありません。
ただADVのコンフィグ周りは、バックログにあたる機能は無くて
スキップも全スキップのみなど、やや貧弱な部類に入りますね。


音楽
全九曲。
綺麗な曲が多かったと思いますが
ゲームそのものがテンポよくガンガン進んでいくため
あまり印象には残りにくいですね。
そもそもじっくり聞いたりすることが少ないので。

その中で気に入ってるのは「Nasty Night」でしょうか。


システム
画面配置などは姫屋ソフトの流れを汲むアアル特有の配置ではありますが
基本的にはごくごく普通のノベル型ADV。

右下にあるメッセージウィンドウに表示される文章を読んでいき
時折表示される選択肢を選ぶことによってシナリオが変化していきます。


「性格システム」
このゲームの主人公には性格というものが用意されています。

前周のプレイによって、次周の性格が決定され
「善人」「いい人」「普通」「悪人」「外道」の何れかに変化します。
それぞれによって自分のセリフから相手のリアクション、ストーリーが変化していきます。
そして特定の性格でしか見られないエンディングも存在します。

この性格システムが『ココロ』のキモではあるのですが
主人公の性格が変わったことによるストーリーの変化が小さいのは残念です。

一応出現する選択肢やエンディングには変化はあるのですが、
ストーリーの大筋はそのままなので「善人」でも下衆な選択肢を平然と行う事に。

多くのエンディングが存在して、プレイする度に違う展開が起こるタイプは
自分の好みなだけに展開のバリエーションの少なさは惜しい。


設定・シナリオ
絶世の美少年“久遠寺宗治(主人公)”は、その美貌ゆえの忌まわしい過去があった。
そうした過去の記憶を封印し、心さえも閉ざし、感情すら希薄になってしまった宗治。

しかし、そんな彼の美貌に惹かれ、好意を寄せる女性は少なくなかった。
それを面白くないと思っているのが、彼の義妹“明日香”。
彼女は、義兄の宗治に歪んだ愛情を抱いており、
そのような女性達を次から次へと不幸に陥れていく。
それも、自分の愛する義兄を使って……。
そう、宗治は、彼女の操り人形のような存在でもあったのだ。
何の感情も抱かず、ただただ狂気に近い状態で女性達を抱いていく。
明日香の親友“真結美”とさえ、彼女の命じるままに純潔を奪った。
セックスの快楽は、ひとときではあるが、宗治に充足感を与えてくれるのだ。

そうしたなか、封印されていた過去の忌まわしい記憶が悪夢となって彼を苦しめていた。
その夢に登場する美しい女性……、
封印された記憶は、どうやら彼女が鍵を握っているらしいのだが……。 


エンディングがたくさんあるのは個人的に大変結構な事なのですが
選択肢を選んだ際の展開のバリエーションが少ないのは残念です。

「性格システム」に対して、展開のバリエーションの少なさが、
システムとの整合性の破綻を招いてるのはいただけません。
鬼畜行動や鬼畜な言動を平然ととる自称善人はどうかと思います(笑

あと当時は実の家族と関係をもって云々で話題になったんでしたっけ?
発売が98年の末ですから、もうずいぶんと古い話になりますね。
ちなみに自分がプレイしたのはゲーム冒頭に「義理です」って注意書きが出る方。


独創性
義理じゃない家族関係がどうだのと
ゲームそのものよりもゲームがらみで発生した騒動の方が印象的なゲームです。

「性格システム」とか努力のあとは認めますが…、
ウリとして考えには弱いといわざるを得ません。

折角なんですからアアルが『ココロ』以前に出した「ZEST to fantasy」や
後発の『ガーディアン』のように
選択肢ひとつでストーリーが変化してくれる方が好きですね。


全般
頽廃的価値観を持った美形の主人公が
まわりの人間をノンケでも構わず喰いまくる話(マジ)

なのでプレイ時間の尺に対してHなシーンは多めになってまして、そこは評価しています。
儚さを感じさせる独特の幻想的なグラフィックともよくあってると思いますし。

やはりストーリーの展開のバリエーションが少ない点が残念ですね。
性格ごとに主人公の性格が全くの別人ぐらいになればもっと面白かったと思うんですが。
現状ではやや不満が残ります。


しかしADVは書くことが少なくて困りますね…。


得点
対応OS Win95/98
発売(開発) アアル
発売日 1998年12月4日
価格 8800円(税別)
製作責任者 安部三郎(監修)
備考 メディア:CD-ROMドライブ2倍速以上(8倍速以上を推奨)
CPU:Pentium 100MHz以上(Pentium 133MHz以上を推奨)
メモリ:16MB以上(32MB以上を推奨)
HDD:空き容量60MB以上(100MB以上を推奨)
ディスプレイ:640×480/High color(16bit)6万色以上表示可能なビデオガード(1024×768/True color(32bit))
サウンド:音楽はCD-DA、MIDI(GS)をそれぞれ選択可能(効果音はWAVE、PCM音源)
種別:18禁

戻る