「４４の噂」ベスト３

ここでは『夕闇通り探検隊』で１８が印象深かった噂を紹介。
完璧に主観です。



１位：「再開発地の噂」
　再開発地のフェンスから再開発地に侵入した３人。
ボイラー室でクルミは一人の少年の霊に出会った。
少年が言うにはかくれんぼしていたら、母親は見つけられなかったらしい。
後日再開発地を再び訪れると迷子になった娘を探す母親に出会う。
ボイラー室に足を運ぶとそこには倒れている少女と少女を妹と呼ぶ先日の少年の霊が居た。
少女を母親に引き合わせると、駆け寄った母親の前で一瞬少女は少年に姿を変え一言呟いた。
「今度は見捨てないでねお母さん。」

最後の一言が強烈な噂。
少年と母親の間に具体的に何があったのかは描かれない。
逆にそれがまたじっとりとした恐怖を煽る。



２位：「鳴沢団地の噂」
　狸を見る為に鳴沢団地跡を訪れた三人。
ナオは他の２人とはぐれてしまう、そのまま鳴沢団地跡に行くと奇妙な人達が居た。
ナオの目の前で猫を鉄パイプで叩き殺す人、壁の穴からナオを見つめる目、
沸騰する水がはいったドラム缶、人が美味いと言う言葉、発電所を崇める人。
恐怖を覚えたナオは鳴沢団地跡から逃げ出そうとするが、鉄パイプを持った男に襲われてしまう。
あまりの事態に足がすくんだナオを、窮地から救ったのは飼い犬のメロスだった。

噂の概要だけ見るとまんま『注文の多い料理店』。
だが鳴沢団地の人々の逝っちゃった会話が無茶苦茶怖い。
お婆さんによる「昔から臆病もんが狸に化かされている」という最後のオチも最高。



３位：「寄生虫の噂」
　とある日いじめっ子のユアサ軍団が、ナオが寄生虫に侵されているとの噂をばら撒いた。
ユアサに言わせると職員室でそのような書類を見たらしい。
ナオはクラスメートのサンジョウケイナやセガワシンタ等に心配されたり敬遠されたりと散々な目にあう。
事実無根を証明する為、保健所、陽見坂下の病院の前を転々とするも門をくぐる勇気の無いナオ。
そんな時道案内をしたお婆さんがお寺に行って相談したら良いと言ってくれる。
そこに現れたのは虫切り師を自称する床屋のおじさんだった。
途中で用事を思い出し席を外した虫切り師に、ナオは散々待たされる。
漸く虫切りが終ると危機感を削がれたナオは、なんとなく家に帰って行った。

ナオの悩みっぷりが笑える噂。
隔離されるだの死ぬだの突然発想が飛躍する。
無神経なクルミやそれを楽しむサンゴも良い味を出している。
オチは書類の見間違いで実は寄生虫が居るのはユアサ本人だったと言う物。
笑えます。

戻る