『コ・コ・ロ…U』登場人物紹介
類は友を呼ぶ…
久遠寺 昴（善人） 『ココロ２』の主人公・久遠寺昴に、パラレル的に存在する４つの性格の一つ 頭脳明晰・運動神経抜群・眉目秀麗と言う、カタログスペック的にはミスターパーフェクト。 生真面目で誠実、律儀で礼儀正しい。 恋愛に不器用なタイプとは良いカンジなので『コ・コ・ロ…U』純愛担当、 逆に曲者先輩コンビや殺人ヘルパーとの相性は全性格中最悪。 ただ、生真面目で誠実、律儀で礼儀正しいという触れ込みに対して、 実際のゲーム中では、善人というよりヘタレかつマザコンといった感じ。 昴（悪人）や昴（外道）ではボコった相手にボコられるなど格好悪い所が多い性格になっている。 こう書くと、微妙なキャラクターに見えますが、 昴４性格の中では、完成度が高い性格になっています。 なぜかというと、ヘタレor格好悪いという形質は、 他の性格にはない個性なので、強い差別化が図られているためです。 また、昴（善人）時のみ登場するヒロインがいる点でも、 他の性格と違う生態系地位の確立に成功しています。 唯一マズかったのは昴（善人）は、 カタログスペックだけは凄いが、ゲーム中の描写は人並のヘタレなので、昴（普通）と競合してしまったこと。 となると、二つの差別化された特徴をもつ善人の方が有利なので、普通は埋没してしまう結果に。
久遠寺 昴（普通） パーフェクト超人なのは相変わらず。 だが、あらゆる面で善人に食われており、１番印象に残らない性格になっている。 自身より、仲良くなると必ず殺される従姉″のインパクトのほうが強いありさま。 最初からつきあっている彼女がいる事が最大の特徴か。 普通主人公が、空気な理由は色々ありますが、どれも簡単な理由です。 まず、普通ということなのか、普通といえばコレといった特徴的なイベントが起きない点です。 日常という平坦な時間を、淡々とこなしていくだけ。 もうひとつは、こちらの方が重要なのですが、 頭脳明晰・運動神経抜群・眉目秀麗、とだけ聞くと、個性的にように錯覚するが、 実際はほかの性格でも同様なので、個性が個性として働かないから。 つまり、絶世の美貌という触れ込みでも、同じ触れ込みが４人もいちゃ、 絶世の美貌とやらも没個性になるわけです。 早い話が多人数アイドルの地味メン状態。 皆かわいいけど、人気がある面子と無い面子に分かれるのと同じ。 （何気ない動作の美しさとか、演技力、トーク力、時流を掴む運といった、“華”の差が生まれる） 誰もが持っているモノは、誰もが持っていない事を同じ。涙が出そうです。 普通以外の性格は、頭脳明晰・運動神経抜群・眉目秀麗の他に、 ヘタレ（善人）、下衆（悪人）、ホモ（外道）と、一応は差別化できてるので、 一人普通だけが屍を晒している状態といえるでしょう。 同一扱いからはじまった「スト２」シリーズのリュウとケン、「スト３」のユン、ヤンではありませんが、 かぶる要素が多いだけに、違いを出せる要素では、 ことごとく互い違いにした方が良かったんじゃないかなぁと。 髪の色や髪型。肌の色・小道具、上着の着脱などを含めて、 あらゆる点で違いを出すことを考えておくべきだった印象です。 （違う事が標準だと、個性にならないのも確かなのですが） 善人はがり勉・ヘタレ、悪人は美貌の結婚サギ師・積極的、と互いの生態系地位を棲み分けているだけに 例えば、普通だけ肌が黒ければ、昴（普通）＝他の性格よりスポーツ万能というイメージを プレイヤーに植えるのも容易かったでしょう。 あるいは、普通であることを逆手にとって、他の性格と共通するのは美貌だけで、 勉強やスポーツに関しては並であることを“繰り返し”するのも１つの手だったかも。 他の３性格はスーパーマン扱いなので、昴（普通）一人だけ並、並連呼されたら、 凄い個性になったのではないかと。 もっともその場合、示準となる性格は昴（善人）になりそうですが。
久遠寺 昴（悪人） 悪人と言うより悪知恵が働くナルシスト。 結婚サギ師や作者の願望丸だしの万能キャラというイメージが近い。 『コ・コ・ロ…U』エロ担当。 昴（外道）よりも、はるかに外道くさい性格で、 自身がアレな為か、先輩ズらクセモノ同士でのシナリオが充実、まさに狐と狸のだまし合い。 あと可愛ければ男でも良いらしい。 ただ、根は善人と共通の為か、惚れると脆い所も。 人生楽しそうだが、はたから見てすっごく嫌な奴です。 とは言うものの、個人的な好き嫌いはともかく 他の性格と違いが際立っているという意味では、昴（善人）と双璧で、 完成度が高いキャラクターに仕上がっています。 他の性格は、昴（悪人）のように、 積極的かつ、誰が相手でもどんどん主導権を握っていくという扱いをされていませんからね。 昴（悪人）が持つ万能感・優遇感は、昴（悪人）特有の形質です。
久遠寺 昴（外道） ザ・無気力。昴（外道）というより、昴（無気力）。 受身なので、存在を昴（悪人）に食われている。 エンディングの半分がホモであるという壮絶極まりないシナリオ。 皮肉なことに、それが外道最大の個性で、ホモ展開が多いという特徴がなかったら、 昴（普通）同様にただの空気主人公だったろうと思われるフシがある。 従姉″との教会エンドも好きです。 ただ、昴（善人）でも従姉″とのハッピーエンドはありましたので、 外道の個性だてという意味では弱いんですよね。 先行して昴（善人）を見てると、亜流エンドの域をでないんです。 ぶっちゃけると昴（外道）は、昴（変態）に名前を変えて、 ホモシナリオを全部集めた方が、他の性格と差別化できたと思う。 あと、醜聞を握って脅すような展開を、昴（悪人）から移動するのもいいかもと思ったのですが、 それだと昴（悪人）の完成度を落としてしまいそう。
結城 千鶴 ヒロインの１人で、美琴と並ぶ不幸少女。 しょっちゅう殺されてます。 昴から見て年上の従姉″。 昴（外道）とのエンドも良いですが、やはり昴（善人）とのシナリオが良い。
早乙女 沙弥香 久遠寺家にやってくる可愛らしい女性ホームヘルパー。 …のハズなのだが、メイドを自称する奇人。 全性格を通して昴に想いを抱いているが、その想いは常軌を逸する場合が多い。 特に昴（善人）との掛け合いは思考回路、行動共に完全にストーカー。 昴（悪人）あたりと仲良くやってほしい。
藤咲 雅 昴と同じ学級にいる先輩。昴が所属する剣道部在籍。 性格・普通だと彼女として付き合っている。 伊集院 春菜とは昔からの恋人。 ちなみに昴（普通）と最初に付き合っている彼女はこの人。 …もしかして二股掛けてる？ 基本的に賑やかで愉快な性格だが、妬心と独占欲が強い困ったチャン。 オツムとオマタがパーなヒロインは結構好きなので、彼女もわりと気に入っています。 ただ、彼女の場合は犯罪者イメージが強烈という致命的な問題が……。 まがいなりにもヒロインであるに雅に、 なんでまた強烈な犯罪者イメージが付いてまっているかというと。 ゲームシナリオを構成するうえで重要なテクニックである“繰り返し”が、 彼女の犯罪面・ネガティブイメージの強調で、徹底されているからです。 “繰り返し”について、書籍から引用すると、これ。
| （次のフラグへの誘導のために） 「大切なことは二回繰り返すことです」 （伏線を有効に機能させるために） 「b.繰り返し何回も張る」 「伏線のセリフの直後にキーワードを繰り返して印象に残す方法もあります」 「ゲームシナリオライターの仕事」より |