温泉旅館経営しみゅれーしょん＋どたばたらぶこめでぃ〜！
てんてこ時代劇 〜亀屋〜
Soleil
操作性 「亀屋」という温泉旅館を存続・繁盛させる事が目的の経営ＳＬＧ『てんてこ時代劇 〜亀屋〜』です。 （以下、単に『亀屋』） ゲームの期間は如月(２月)から翌年の睦月(１月)までの丸１年ですが、 葉月(８月)と長月(９月)の間に「閏葉月」を挟むため、１年間が１３ヶ月という特殊な日程になっています。 操作はキーボードだとカーソル移動ができないのでマウスが基本。 ＣＧモード、シーン回想（エンディグの閲覧も可）、サウンドモードといった機能は装備。 読み返し機能はありますが、メッセージスキップは全スキップのみ。 既読スキップがないのは別に構わないものの、 メッセージスキップ中は一日の終わりに表示される店の状態表も、一緒にスキップしてしまうのが不満ですね。 音楽 明るく元気な曲が多いですが、和風な曲がそれほど多くなかったのちょっと残念。 この中で挙げるとすれば、亀屋のライバル旅館である鶴屋の若旦那・巌(いわお)のテーマ「漢唄」でしょうか。 『亀屋』のＢＧＭの中で、「漢唄」だけ演歌風のシブい曲調である事に加えて、 巌はヒロイン・都(みやこ)を巡る恋愛関係＆鶴亀旅館合戦で二重に対立関係にある主人公を何かにつけてバカにしてくる、 憎ったらしいキャラクター造詣という事もあって、とても印象に残っている曲です。 システム キャラクターとの会話シーンは 背景絵＋キャラクターの立ち絵、画面下部にメッセージウィンドウという スタンダードなＡＤＶのスタイルになっています。 そういう意味では経営ＳＬＧ＋ＡＤＶと言えるかもしれません。 「ＳＬＧパート」 ゲームの期間は１年間（１３ヶ月）。 店の残金がなくなるとゲームオーバーになります。 ゲームは基本的には１０日間毎に主人公のスケジュールを組んで、 店の各種パラメーターや評判度を高めていきます。 スケジュールで選択できるコマンドは 「清掃」「接客」「修理」「調理」「休み」の５種類。 前４つはそれぞれ対応する店の各パラメーターをアップするコマンド。 「休み」は主人公の気力を回復させたり、 後光（ごこう）の町へ繰り出して 各キャラとの会話イベントを発生させたりするコマンドで、 １０日間のうち最大３回まで選択する事ができます。 町へ繰り出した時の日付けが偶数日・奇数日によって キャラクターの居場所が変化します。 移動可能なエリアは全部で７箇所ですが、 キャラクターの多くは繁華街と町中に出没します。 ヒロインとの会話イベントで会話の内容や途中の選択肢によっては、 ヒロインの好感度アップしたりします。 経営ＳＬＧとしての難度は低く、 残金を減らし過ぎたりしなければ大丈夫でしょう。 「登場エリアが被り過ぎ」 ただ、休みコマンドでエリア毎に出現する キャラクター配置には、大きな難を抱えています。 詳しくは後述する「ヒロイン数の多さを持て余し気味」にも被る部分ですが、 キャラクターの出現エリアが繁華街と町中にあまりにも集中し過ぎているのです。 何しろ、偶数日の繁華街は８名、町中は７名、 奇数日の繁華街は７名、町中は８名といった具合。 このため、繁華街と町中を訪れてもお目当てのキャラに 会えるかどうかは殆ど運任せの状態です。 殊に亀屋の従業員は繁華街と町中にしか出現しないので、 登場キャラがまだ少ない序盤はまだしも ゲームがある程度進んで登場キャラが出揃ってくると、 運が悪いと何回訪れても全く会えない事も。 その点、専用の出現エリアを持っているキャラは 会うのがラクなんですけどね…… 厄介なのは、専用エリアを持っているキャラクターでも 日によって繁華街や町中に出没したり、 繁華街・道場など複数のエリアに跨っていたりする事。 特定のエリアにキャラクターが集中する要因になってしまっています。 あと、この過密振りの要因としてもう一つに考えられるのが、 町へ繰り出した時に巌、鶴屋の女将、道場主、町の代官といった 非攻略キャラも出現する事。 こういったキャラクターも出現する事自体は結構なのですが、 この連中も繁華街や町中にも出没す事があるので 特定のエリアにキャラクターが集中する 要因の一つになってしまっています。 繁華街と町中は 「繁華街・北」「繁華街・南」とか「表通り」「裏通り」のように それぞれ２分割ずつして、キャラクターの出没エリアを もっと分散させるべきだったでしょうね。 設定・シナリオ 時は江戸時代末。 主人公・研太は、江戸で指折りの「燕屋」という回船問屋の三男坊。 日々、怠惰に過ごしていましたが、ある日両親の大二郎と一恵に呼び出され、 奥州の小さな温泉街・後光（ごこう）にある温泉旅館「亀屋」の養子になるよう言い渡されます。 「亀屋」は遠い親戚筋に当たり、昨今の経営難で借金を申し込んできたのだとか。 いきなりの事で、強硬に抵抗する研太。そこで、一つの妥協案が出ます。 それは１年以内に亀屋の経営状態を立て直せれば、江戸に戻ってきても構わない もし、１年以内に立て直せなければ、責任を取って亀屋に残る という物でした。 それ以上の譲歩は望めないと感じた研太は、 渋々ながらこれを了承し、「亀屋」で働く事にになるのでした。 果たして「亀屋」で研太に待ち受けているものは？ 彼は一年で見事「亀屋」を立て直すことができるのでしょうか？ 主人公・研太が半ば勘当扱いで温泉旅館「亀屋」の主人として働くお話。 研太を含めた亀屋の話を縦糸のメインストーリーに据えて、 各ヒロインの固有イベントやサブイベントを横糸に張る構成になっています。 出会う度に何かと小馬鹿にしてくるライバルキャラの存在や 幾つかのＥＤで研太とヒロインが愛欲に溺れた生活をしている辺りは、 PC98の頃のゲームっぽいと言えるかもしれません。 （巫女さんの椛(もみじ)とのＥＤ名が「愛欲」ですし） 公式で「どたばたらぶこめでぃ〜」を自称しているだけに ＥＤに関して言えば自分もかなり驚きました。 （時折出てくる「攘夷」云々のネタも同様ですが） 「ヒロイン数の多さを持て余し気味」 ヒロイン数は総勢１６名。 ただし、双子の料理人・爛々（らんらん）と麗々（れいれい）は 必ず２人セットで動くので、実質的には１５キャラ分ですね。 キャラクター数が多い事自体は結構なのですが、 やや人数を持て余し気味だったなーという印象を受けました。 亀屋の従業員に比べると非従業員ヒロインは ただでさえ登場回数に恵まれているとは言いがたいのですが。 その中でも初登場する時期が遅いヒロインは、特に存在感が薄いのです。 亀屋の従業員は睦美と弥生を除き通年で登場し続けますし、 毎日発生する朝の挨拶で必ず誰かしら顔を見せます。 更にストーリー中に発生する個人イベントも 亀屋としてのお話と渾然一体となっている事、 非従業員ヒロインのイベントでも フツーに登場してくるので出番には事欠かしません。 これに対し、非従業員ヒロインは 個人イベントと休みの時にしか登場しないというキャラクターが殆ど。 しかも１０人前後のヒロインとの同時攻略が可能な仕様なので、 特定の月にＥＤフラグ用のイベント（兼Ｈイベント）が偏らないように 下半期（閏葉月を含む）を丸々使って 満遍なくＥＤフラグ用イベントを分散させたため。 閏葉月を含めても７ヶ月しかない上半期までの間に 非従業員ヒロインが９名全員を登場させるハメに。 そういうわけで、上半期に新キャラの登場イベントを詰め込んだら 上半期は亀屋のお話と新キャラの登場イベントだけで日程が埋まってしまい、 結果的に非従業員ヒロイン達は 休みコマンドを除けば初登場時とＨシーンのイベントぐらいしか 登場する機会がなくなってしまいました。 それでも、最初の方に登場するヒロインは 後発のヒロインに比べれば登場できる期間がそれだけ長くなりますし、 更に１番手２番手という事もあって記憶に残りやすいのですが。 登場したヒロイン数が次第に増えるに従い 新登場ヒロインのファーストインプレッションが どんどん弱くなっていくので、 後発のヒロインはそれだけ記憶に残りにくくなります。 イベントの少なさとＥＤとの併せ技の結果、 研太と愛欲に溺れた生活をしているのが かなり突拍子も無く感じられたヒロインも結構いるので、 その点は少々残念ですね。 それだけに、登場するヒロイン（特に非従業員ヒロイン）は 初登場イベントの冒頭に二者択一の選択肢でどちらか一方が登場するorしない等、 一度のプレイで登場するキャラをもう少し整理した方がよかったと思います。 現行でもＥＤフラグが二者択一になっている組み合わせが少なくないわけですし。 もっとも「Piaキャロットへようこそ！！ ビジュアルファンブック」で 次のような稲村竜一さんの言葉があります。
| 女の子を何人も設定しているうちに、この女の子それぞれにエンディングを持たせたいなぁ、ってことになって。 そうするには、いままでのアドベンチャーの形式では表現が難しいわけです。 ひとつのストーリーでどの女の子とも親密になっていくものをアドベンチャーでやろうとすると、 キーになる女の子が数人に絞りこまれちゃって、ほかの女の子たちがサブキャラ的な扱いになってしまうんですね。 どの女の子も分岐次第でヒロインになり得る作りにしたかったんで…… |
| 攻略可能なキャラはなんと総勢１５人！ このゲームには多彩な女のコたちが登場し、それぞれにエンディングが用意されている。 一緒に働く亀屋の中居さんはもちろん、お姫様や異人の女のコ、果ては桜の精とまでＨ可能だ。 |
亀屋の従業員
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非従業員ヒロイン
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その他
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| 対応ＯＳ | Ｗｉｎ９５/９８/Ｍｅ/２０００ |
| 発売（開発） | Soleil（Lily Bell） |
| 発売日 | ２００１年７月１９日 |
| 価格 | ８８００円（税別） |
| 製作責任者 | T-YAM（エグゼクティブプロデューサー） 正木研太（企画・ディレクション） |
| 備考 | ジャンル：温泉旅館経営SLG＋ドタバタラブコメディ CPU：Pentium166MHz以上（PentiumMMX266MHz以上推奨） メモリ：32MB以上（64MB以上推奨） V-RAM：4MB以上（8MB以上推奨） CD-ROMドライブ：2倍速以上 ディスプレイ：640×480ドット・Hight Colorの表示が可能な ディスプレイ及びアクセラレータカード サウンドカード：PCM音源を再生可能なサウンドカード マウス：Windows95・98・2000・Millennium Editionで動作可能のマウス ハードディスク：300MB以上/900MB以上 メディア：CD-ROM 2枚 種別：18禁 |