人が人を飼育するということ…
SEEK2
-SADISTIC BABYLON-
PIL

操作性
指定された日数の中で育成対象の各ステータスを一定値以上にする育成ＳＬＧ。
ゲームシステム的には『プリンセスメーカー』『卒業』と言った育成ＳＬＧ直系なのですが
ＳＭのスタイルをとっているので、調教ＳＬＧといったほうが
ニュアンスとしてはよりわかりやすいですし、より一般的（？）かなと思います。

ストーンヘッズ系ブランド発のゲームらしく、
マウスでのみ操作可能でキーボードには対応していません。
また幻住庵の感想でいう『絶滅キング』『Nails』とまったく同じ仕様で、
ウィンドウモードはゲーム画面以外も全て壁紙で覆われるタイプ。
そのため、事実上フルスクリーンのみとなります。


マウスの左ボタンで、コマンド・メニューの決定/メッセージを進める
マウス右ボタンがメニューのキャンセルになります。
コマンドをメニュー形式で選択/決定し、ゲームを進行させていきます。

常に、画面上部のメニューバー（ウィンドウ、設定、ヘルプ）
画面下部のタスクバー（各種パラメータの表示）
画面右下部のシステムバー（セーブロードその他）
などのコマンド群から構成されており
これらコマンドからセーブ・ロードやコンフィグをはじめ
育成対象の情報なども常に引き出すことができます。

整理整頓され洗練された画面構成ですが、
それだけにキーボードでも操作できればなお良かったと思います。

ただ『Nails』の様に
マウスを大きく動かしてクリックし続けるということはないので
それほど不便ではありません。


音楽
ロックやブルース調の曲が多く、
曲調は怠惰で倦んだ感じの曲が殆どです。

印象に残ったのは、
スタッフロールで流れる「MOTHERS」、
「IRISH GARDEN」「CLOVER」


システム
事実上の調教SLGの始祖『SEEK』の続編だけあって
パラメーターの数が多い、超がつくほどガチガチの正統派調教SLGですね。
主人公が教官役としてヒロインのパラメーターを弄くると言う形も
『プリメ』『卒業』あたりの直系の系譜と言う意味で正統派です。

ゲームシステム
ゲーム期間は全４８日。
ゲーム全体のプレイ日数は４８日ですが、調教期間は各奴隷によってマチマチです。
最初から最後まで登場するキャラクターが一人、
途中参加して途中退場するキャラが二人、途中参加で最後までいるキャラが一人いる為です。

期間中は、毎日午前と午後の二回調教を施すことができます。

調教対象である奴隷には
調教進度や体力・理性・愛情・忠誠・気位・技術・肉欲・変態・忍耐
といったステータスが存在しています。
それらパラメーターは、奉仕・弄ぶ・責苦・快楽・恥辱・アナル開発・道具といった
７系統２４種類のうちプレイヤーが選んだ調教メニューにより変動していきます。

調教師見習いとして、限られた期限までに依頼主のオーダーに即した
雌奴隷を育て上げることがゲームの目的で
それが達成できないとゲームオーバーになります。

また主人公には体力、経験、レベルと言う要素もあります。
体力は調教メニューを実行するのに必要なステータスで、
レベルは低いうちはすべての調教メニューを行うことはできません。


イベント
ゲームをプレイしていると、様々なイベントが出現します。
しかし、それらは一度のプレイで全てを見ることができません。
何故ならば、調教が速く進行している場合に起こるイベントと
調教が遅れている場合に起こるイベントがあるためです。
これらは相反した条件の元で発生します。

また館の住人とこまめに会話をすることで、
館に秘められた様々な陰謀や秘密が明らかになる事もあります。

夜には奴隷やサブキャラたちと会話することができます。
これはちょっとした調教の補助で、
理性を回復させたり忠誠度、愛情度を高めていく事ができます。
愛情度が高いと自分の部屋にお持ち帰りすることも可能。


ゲームバランス
前作よりも作り込みなどは丁寧になっている反面
ヒロインの数が増えたこととシナリオ部分の攻略難度があがっているため
前作以上にシビアなゲームバランスになっています。
やや、死んで覚えろ的な部分も。

気を抜いていると序盤でいきなりゲームオーバーになってしまうので
計画的なスケジュール管理が必要になってきます。
各奴隷の其々にとって効率的な調教を把握して
効果的にプレイしていきましよう。


設定・シナリオ
北原雅之はカメラマンである。
昔はそれなりに夢や野望があったが、
今は、生活のため三流ＳＭ雑誌のグラビアを撮って生計を立てている。

そんな雅之へ訃報が届く。
ドイツに住む義理の妹、マリノからの知らせで、
ドイツ人画商と再婚していた雅之の母が死んだらしい。
とるものもとりあえずドイツへ向かう雅之。
悲しみに沈む兄妹だが、
高級乗用車からあらわれた黒い服の男達の一団が現れ、マリノをさらっていったのだ。

1年前に死んだ養父、ラルフ・パレンバーグは、
男達に「飼育」という絵を手に入れる約束で1億円を前渡として受け取っていた。
「飼育」を手に入れるか、1億円を返すか。
人質にマリノがとられたのである。
しかし、どちらも果たせそうなものではない。

そんな雅之の元に李麗蘭(レイラ・リー)という女があらわれる。
麗蘭の営む調教館で働けば、1億円を融資するというのだ。
世界中の著名なSMマニア達が、最高の女達を最高の牝奴隷に仕立て上げるという、
この世に存在すること自体がタブーに満ちた、禁断の館へ…。


巨額の借金を抱え込んだ主人公がＳＭ調教館の調教師見習いとして、
限られた期限までに依頼主のオーダーに即した雌奴隷を育て上げる話。


前作の登場人物達をはじめ、『学園ソドム』とも縁のある人物が出てくるあたり
製作総指揮を担当した奇才・田所広成の集大成的位置づけともとれるゲームですね。

とはいうものの、このようなクロスオーバーは
当時のストーンヘッズ系のブランドではままあったことで
例えば「堕落の国のアンジー」や「生足クラブ5×5」のキャラクターが
「変態チャンネル アブノーマルTV」に出てきていたりしたケースも。


独創性
前作はＳＬＧとしての主眼を、膨大な数のエンディングに置いていたプリメ・卒業に対して
（これはプリメの思い出を語るとき、多くの場合
なぜか娘が娼婦になっていて愕然としたと言う話題になるのがわかりやすい）
ＥＤよりも調教の過程を重要視した点に奇才・田所の天才性がありましたが
今作はあくまで前作のバージョンアップに留まっています。

それだけに、ボリュームや作り込みの丁寧さは素晴らしいものがありますが、
この項目で特にコメントするようなことは特にありません。


全般
前作をベースにイベント量のボリュームアップを施した作品
登場人物も増えたことに加えて、個々のストーリー絡みのイベントも多くなりましたが、
そのためＳＬＧとしての難易度も大きく上がることに。


得点８点

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